ここ大念寺は古くから「鎌足ゆかりの寺」として伝承され、創建は資料によれば斉明天皇2年(西暦656年)であり、以来1300年以上の歴史をもっています。
かつては多くの末寺をかかえ、勅書綸旨なども有した大規模な寺院であったともいわれています。しかしながら往古をしのぶ遺物などは多く残っておりませんでした。当寺の縁起にもあるように、創建以来に火災等による荒廃や数度の境内の移転を重ねた為であるとも考えられます。
伝承によれば、現在の場所に大念寺としてお堂を構えたのは享保6年の時であって、それ以前は現在より南側にありました。一帯は「安威寺跡(あいでらあと)」と便宜的に名付けられ周知されておりましたが、当寺の南側は現在は安威の集落として住宅・田んぼが広がってます。そのため、今まで本格的な発掘調査などによって伝承の旧境内の遺構の発見はあまりされていませんでした。