あいとりであと
境内裏山の外、北東部に隣接する「天神山(てんじんやま)」には16世紀の戦国時代につくられた砦(とりで)の跡が残っています。三段からなる造りで空堀や井戸跡が保存状態も良く残っています。この砦のことについては資料が少なくて謎が多いのですが、戦国時代には安威弥四郎という領主が安威を治めており、安威の集落南部にはかつて安威城(あいじょう)というお城があって、この砦は戦いの時の詰めの城として築かれたものであるようです。安威城は天正~文禄の頃に安威氏が去り廃城したようで、この砦も同時期に使われなくなったとみられます。浄土宗大念寺として再建されたのが天正18年(西暦1590年) ですので、当時の安威の事情がうかがえる貴重な遺跡です。