令和6年11月17日、恒例のお十夜法要を行いました。
ご本尊と回向壇には古式に倣って精進供(生御膳:なまごぜん)をお供えいたします。
調理をせずに新米や秋の野菜を器に載せてお供えします。
そして“十夜”の字のごとく、本堂を薄暗くしてローソクの光のもと、伏鉦の甘い音に合わせてしばし皆様と一緒にお念仏をお称えいたしました。
後半には落語の御奉納。喜怒家哀楽さんこと磯村昌宏先生(地元の校長先生)による素晴らしい古典落語をご披露いただき、本堂は香煙と参詣者の笑いに包まれました。
「お十夜」の由来
『仏説 無量寿経』には…
「この世において、十日十夜の間、お念仏の善行を積むことは、お浄土で千年間善行をすることよりも尊い」と説かれます。
つまり、誘惑の多いこの世で十日間も絶え間なくお念仏の善行をすることは、仏道修行に適した極楽で千年間善を積むよりも、実践し難く大変尊いということです。
その教えを実践し、秋のよい時候に新穀を供え、十日十夜にわたり、不断の念仏を修して阿弥陀さまのお慈悲に感謝するのがお十夜のはじまりです。当山ではこれを一日に凝縮(千年÷10=百年分の善行!?)して皆様とお念仏をおとなえする法要をおこないます。