この掛軸は『大織冠画像』と呼ばれる鎌足公の神格化された御影であります。
当山の檀信徒で安威村の旧家であられた乾家(いぬいけ)に伝わるもので、子孫の乾 幸治氏が所蔵されているお軸です。安威が藤原鎌足公ゆかりの地であることを伝える重要なものであり、中央上段には藤原鎌足公が大きく描かれ、図の下段左右の二人は鎌足公の子息であります。右側の長男・定慧上人は当山の開山上人、左側の次男・藤原不比等(ふじわらのふひと)は藤原四兄弟の祖であり千年以上続く藤原家の基礎を固めた公卿であります。
今般、乾 幸治氏のご厚意のもと、ゆかりの大念寺にてお預かり、お祀りし公開の運びとなりました。